「電気通信大学は恥ずかしい大学なの?」「電通大に進学すると学歴で後悔する?」と気になっている人もいるかと思います。大学名だけを見ると、通信制大学や専門学校のように感じたり、東京電機大学・大阪電気通信大学などと混同したりする人がいることも、こうした疑問が生まれる一因です。
しかし、電気通信大学は東京都調布市にある国立大学で、情報・通信・電子・機械・物理などを扱う理工系大学です。入試難易度や就職実績を確認すると、単純に「恥ずかしい大学」と評価する根拠は見当たりません。この記事では、そう言われる理由と実際の評価を、偏差値、就職、知名度、大学生活など複数の視点から整理します。
電気通信大学は恥ずかしい?結論は「学歴を恥じるような大学ではない」

結論からいうと、電気通信大学を「恥ずかしい大学」と判断する客観的な理由はありません。知名度だけなら全国的に有名な総合大学に及ばない部分はありますが、国立の情報理工系大学として一定以上の入試難易度があり、理工系企業への就職実績も目立ちます。
むしろ、「一般の人にどれだけ大学名を知られているか」と「理工系の進学先・就職先としてどう評価されているか」を分けて考える必要があります。電気通信大学は、この2つの評価に差が生じやすい大学といえます。
| 確認するポイント | 電気通信大学の状況 |
|---|---|
| 大学の設置区分 | 国立大学 |
| 所在地 | 東京都調布市 |
| 主な分野 | 情報、通信、電子、機械、物理、材料、光・量子など |
| 2027年度入試の偏差値目安 | 55.0~57.5 |
| 共通テスト得点率の目安 | 69%~76% |
| 学域卒業後の進路 | 大学院進学者が多い |
| 就職 | 情報通信・電機・メーカーなどへの実績が豊富 |
電気通信大学は国立の理工系大学
電気通信大学は、1918年に創設された無線電信講習所を起源とし、1949年に新制の国立大学としてスタートしました。現在は国立大学法人電気通信大学として運営されています。
名前から「電気と通信だけを学ぶ大学」と思われることがありますが、実際の教育・研究領域はそれほど狭くありません。情報科学、人工知能、通信、電子工学、ロボティクス、機械工学、物理工学、材料科学、光・量子科学など、現代の情報理工学に関係する幅広い領域を扱っています。
特にIT、半導体、通信、電子機器、製造業などを志望する学生にとっては、大学名の一般知名度よりも専門性との相性を重視する価値があります。
偏差値を見ると「誰でも入れる大学」ではない
河合塾Kei-Netが公表している2027年度一般選抜のボーダーラインでは、情報理工学域の偏差値は55.0~57.5、共通テスト得点率は69%~76%です。Ⅰ類(情報系)では前期・後期とも偏差値57.5が目安となっています。
ここでいう偏差値は合否可能性が50%となるボーダーラインであり、大学そのものの価値を表す数字ではありません。それでも、少なくとも「ほとんど勉強しなくても入れる」「入試難易度が極端に低い」という大学ではないことは分かります。
就職実績から見ても低評価とは考えにくい
電気通信大学の公式サイトでは、学域・大学院ともに就職率95%以上と案内されています。また、令和6年度の主な就職先には、NTTドコモ、日立製作所、野村総合研究所、ソフトバンク、NEC、富士通、NTTデータ、三菱電機、トヨタ自動車、東京エレクトロンなどが並んでいます。
大学通信オンラインの「2025年 著名400社 実就職率ランキング」では、電気通信大学は38.1%で全国11位でした。このランキングだけで大学の優劣を決めることはできませんが、企業就職という観点で一定の評価を得ていることを示す材料にはなります。
一般の知名度がそれほど高くなくても、技術者を採用する企業側では教育内容や卒業生の実績が認識されている可能性があります。「世間で名前を聞く頻度」と「就職で評価される度合い」は同じではないという点が、電通大を考えるうえで重要です。
電気通信大学が「恥ずかしい」と言われる理由

では、入試や就職で一定の実績があるにもかかわらず、なぜ「電気通信大学 恥ずかしい」と検索されるのでしょうか。大きいのは、大学の実力よりも名称や知名度から生まれるイメージです。
大学名から通信制大学や専門学校と勘違いされやすい
「電気通信大学」という名前には、「東京大学」「北海道大学」のような地名も、「早稲田」「慶應」のように一般に知られた固有名詞も含まれていません。「電気」「通信」という技術分野をそのまま組み合わせた名称になっています。
そのため、大学事情に詳しくない人には「電気工事を学ぶ専門学校なのでは」「通信教育を行う大学なのでは」と誤解される可能性があります。しかし実際には通信制大学でも専門学校でもなく、学士・修士・博士の課程を持つ国立大学です。
大学名だけを初めて聞いた人の反応を大学の評価そのものだと受け取ると、必要以上に学歴を気にしてしまいます。名称から生じる誤解と、大学の教育・研究レベルは切り離して考えるべきでしょう。
東京電機大学や大阪電気通信大学と混同されることがある
名前の似た大学が複数存在することも、電気通信大学の分かりにくさにつながっています。代表的なのが東京電機大学と大阪電気通信大学です。
電気通信大学は東京都調布市にある国立大学、東京電機大学は東京都足立区などにキャンパスを持つ私立大学、大阪電気通信大学は大阪府にある私立大学です。いずれも理工系分野を扱いますが、それぞれ別の大学です。
自分では有名な国立大学に入ったつもりでも、周囲から「どこの大学?」と聞かれると戸惑う学生はいるかもしれません。ただし、それは大学のレベルが低いというより、名称と一般知名度の問題と考えるほうが自然です。
旧帝大や東京科学大学などと比べてしまう
理工系を志望する受験生の中には、東京大学、東京科学大学、旧帝大などを第一志望にして、電気通信大学を併願先や志望変更先として検討する人もいます。その場合、「第一志望ではなかった」という個人的な感情から、大学そのものを低く評価してしまうケースがあります。
しかし、上位大学と比較すればどの大学にもさらに難関の大学は存在します。「もっと偏差値の高い大学がある」という事実だけで、現在の大学を恥ずかしいと判断することはできません。
大学選びでは、入試偏差値の数ポイントだけでなく、学べる研究分野、研究室、大学院進学、就職先、立地、学費まで含めて考えるほうが実用的です。特に電通大のような専門性の高い大学は、大学全体の知名度だけでは価値を判断しにくい面があります。
理系学生が多く「地味」というイメージを持たれやすい
電気通信大学は情報理工系を中心とした大学で、文系学部を幅広く持つ大規模総合大学とは雰囲気が異なります。そのため、「華やかなキャンパスライフではなさそう」「理系の学生ばかりで地味そう」といった先入観を持たれることがあります。
ネット上では理工系大学に対して「オタクが多い」といった表現も見られますが、これは学生一人ひとりを表すものではありません。プログラミング、ゲーム、電子工作、ロボットなど専門分野と趣味が結びつきやすい環境は、見方を変えれば共通の興味を持つ仲間を見つけやすい環境でもあります。
大学生活の華やかさを最優先する人には合わない可能性がありますが、技術や研究に集中したい人にとっては必ずしもデメリットではありません。
電気通信大学はFラン?偏差値と入試難易度を検証

「恥ずかしい」と合わせて気にされやすいのが、「電気通信大学はFランなのか」という疑問です。この点については、現在公表されている入試難易度を見る限り、Fランと呼ぶのは適切ではありません。
偏差値55.0~57.5でFランには当てはまらない
「Fラン」という言葉には公的・統一的な定義がありません。一般には、入試偏差値を算出できないほど志願者が少ない大学や、入試難易度が非常に低い大学を指して使われることがあります。
一方、電気通信大学は河合塾の2027年度入試予想で偏差値55.0~57.5が設定されています。共通テストのボーダー得点率も69%~76%で、一定水準の得点力が必要です。
したがって、ネット上の刺激的な言葉だけを根拠に「Fランだから恥ずかしい」と判断するのは、実際の入試データとかけ離れています。
国立大学と私立大学の偏差値は単純比較しにくい
偏差値57.5と聞くと、「私立の有名大学より低いのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし、偏差値は同じ試験条件でなければ単純比較できません。
国立大学では共通テストで複数科目を受験し、そのうえで個別試験を受ける方式が一般的です。私立大学では受験科目を絞れる方式も多いため、表示される偏差値だけで「57.5の国立大学と60.0の私立大学なら後者が必ず難しい」と決めることはできません。
特に電気通信大学では数学や理科を含む理系科目への対応が重要になります。受験生自身の得意科目によっても実際の難しさは変わるため、偏差値は一つの目安として扱うのが適切です。
「入る難しさ」と「卒業後の評価」は別に考えるべき
大学選びでは偏差値に目が向きがちですが、理工系の場合は入学後に何を専門として学び、どの研究室でどのような経験を積むかも重要です。
電気通信大学の情報理工学域では、Ⅰ類(情報系)、Ⅱ類(融合系)、Ⅲ類(理工系)を中心に学びます。情報、ネットワーク、電子、ロボティクス、機械、材料、物理など、企業の技術職とつながりやすい分野が多くあります。
企業の技術職では、大学名だけでなく専攻、研究内容、プログラミング能力、実験経験、大学院での研究なども評価材料になります。理工系では、入口の偏差値だけで卒業後の価値を判断すると実態を見誤りやすいでしょう。
電気通信大学の就職は強い?企業からの評価を見る

電気通信大学について評価するとき、入試難易度以上に注目したいのが就職実績です。特に情報通信、IT、電機、半導体、製造業を志望する人にとって、卒業生・大学院修了生の進路は重要な判断材料になります。
大手IT・通信・メーカーへの就職実績がある
大学公式サイトが公開している令和6年度卒業生・修了生の主な就職先を見ると、NTTドコモ、日立製作所、野村総合研究所、コーエーテクモホールディングス、ソフトバンク、NEC、富士通、本田技研工業、NTTデータ、三菱電機などへの就職者が確認できます。
そのほか、東京エレクトロン、トヨタ自動車、KDDI、ソニーセミコンダクタソリューションズ、三菱重工業、キヤノン、デンソー、任天堂など、情報・電機・製造分野を中心に幅広い企業へ進んでいます。
もちろん、大学に入れば自動的にこれらの企業へ就職できるわけではありません。それでも、毎年一定数の採用実績が存在することは、少なくとも「大学名だけで就職が厳しくなる大学」というイメージとは一致しません。
著名400社実就職率は2025年ランキングで全国11位
大学通信オンラインが公表した2025年の「著名400社 実就職率ランキング」では、電気通信大学は38.1%で全国11位となっています。
この調査の著名400社は、日経平均株価指数の採用銘柄、会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選ばれています。実就職率は、400社への就職者数を「卒業生・修了者数から大学院進学者数を除いた人数」で割って算出する方式です。
ランキングは集計方法や対象企業によって結果が変わるため、大学の総合順位として扱うべきではありません。ただ、電通大は「知名度の割に就職で弱い大学」ではなく、むしろ理工系就職を強みとする大学と見るほうがデータに合っています。
学部卒業後は大学院へ進学する学生が多い
電気通信大学では、学部相当の情報理工学域を卒業してすぐ就職する学生だけでなく、大学院へ進学する学生が多いことも特徴です。大学公式の令和6年度データでは、学域卒業生の71.4%にあたる465人が進学しています。
そのうち439人は電気通信大学の大学院へ進学しており、進学者に占める学内大学院への進学割合は94.4%でした。学部4年間だけでなく、修士課程まで含めて専門性を高めてから企業へ進むルートが一般的であることが分かります。
これは電通大の就職を見るうえで重要なポイントです。学部卒業時点の就職者数だけを見て「就職する人が少ない」と判断すると、大学院進学者が多い理工系大学の特徴を見落としてしまいます。
知名度が低いのに評価されるのはなぜ?電通大ならではの特徴

電気通信大学は、誰もが知る総合大学と比べると一般知名度で不利になりやすい一方、情報理工系では特徴がはっきりした大学です。この「一般知名度と専門分野での評価の差」が、評判を分かりにくくしています。
大学名に地名がないため所在地まで知られていない
電気通信大学は東京都調布市にあります。大学公式サイトによると、学部を持つ国立大学の中で、大学名に地名を含まない唯一の大学です。
1949年の大学設置時には「電波大学」という名称も検討されましたが、将来の発展を考えて、より広い概念を示す「電気通信大学」が採用されました。また、地名を付けなかった背景には、日本全国に開かれた大学をつくるという考えがあったとされています。
歴史的な理由がある名称ですが、初めて聞く人には所在地も設置区分も伝わりにくいという弱点があります。「東京にある国立大学」と説明すると印象が変わるケースがあるのは、そのためでしょう。
大学の規模よりも専門性を重視した構成
電通大には文学部、法学部、経済学部、医学部などをそろえた総合大学とは異なり、教育研究の中心が情報理工分野に集まっています。そのため、テレビやスポーツ、文化系学部の話題などを通じて大学名を知る機会は、大規模総合大学より少なくなりがちです。
しかし、大学選びで大切なのは、知名度の広さだけではありません。情報、AI、通信、電子、ロボット、半導体などを学びたい人にとっては、多数の文系学部があることより、自分の専門分野に研究室や設備、人材が集まっていることのほうが重要な場合があります。
「みんなが知っている大学に行きたい」という価値観なら知名度は欠点になり得ますが、「技術を学んで研究や就職につなげたい」という価値観なら、専門性はむしろメリットになります。
IT・ものづくりとの相性が良い
現在の電気通信大学は、「電気」と「通信」だけの大学ではありません。大学側も「情報×理工で未来を切り拓く」を掲げ、情報科学と理工学を横断した教育・研究を進めています。
AIやデータサイエンス、サイバーセキュリティ、ネットワーク、半導体、ロボットなどは、今後も技術者需要との関係が深い分野です。こうした領域を大学・大学院で専門的に学べることは、卒業後のキャリアを考えるうえで実用的な強みになります。
大学名のブランドだけを求める人には魅力が伝わりにくい一方、「何を学び、どの業界を目指すか」が決まっている人ほど評価しやすい大学と考えられます。
電気通信大学に進学して後悔する可能性がある人・向いている人

「恥ずかしいかどうか」より大切なのは、自分に合う大学かどうかです。電通大には明確な強みがありますが、すべての受験生にとって最適とは限りません。
大学名の知名度を最優先する人はギャップを感じる可能性がある
親戚や友人に大学名を言ったとき、「どこにある大学?」「私立?」と聞かれることを強く気にする人は、電気通信大学の一般知名度に物足りなさを感じるかもしれません。
また、「有名大学に通っているというブランドそのもの」を大学選びで最優先したい場合も、全国的な知名度の高い総合大学のほうが満足しやすい可能性があります。
これは電通大の教育水準が低いという意味ではなく、大学に求めるものの違いです。知名度を重視するのか、専門性や就職、研究環境を重視するのかを整理しておくことが大切です。
文系を含む幅広い交流を求める人は確認が必要
大規模総合大学では、文学、法学、経済、教育、理工など異なる専攻の学生と日常的に接する機会があります。電気通信大学は情報理工系に重点を置いているため、学問分野の多様性という意味では総合大学とは環境が異なります。
大学生活で多様な専攻の学生との交流を最優先したい人や、入学後に文系分野へ大きく方向転換したい人は、学部構成をよく確認したほうがよいでしょう。
一方、理系分野が好きで、同じような興味を持つ学生と学びたい人には居心地の良い環境になり得ます。大学の雰囲気は偏差値表からは分からないため、オープンキャンパスなどで実際に確認する価値があります。
情報・工学を深く学びたい人には向いている
プログラミング、AI、通信、電子回路、ロボット、機械、物理などに興味があり、将来はIT企業やメーカーの技術職・研究職を目指したい人にとって、電通大は検討価値の高い選択肢です。
大学院進学者が多いため、「学部卒で就職することだけを考える」のではなく、修士まで進んで専門性を高めることも含めて進路を考えやすい環境です。
電通大を選ぶか迷ったら、「世間体」ではなく、学びたい研究分野があるか、大学院まで進学したいか、希望する業界への就職実績があるか、キャンパスの雰囲気が合うかの4点で判断すると整理しやすくなります。
「周囲からどう見られるか」だけで辞退するのはもったいない
受験生にとって大学名は気になるものです。しかし、入学後の4年間、大学院まで進めば6年間を過ごす場所を、「知人が名前を知っているか」だけで決めるのは合理的とはいえません。
電気通信大学の場合、一般知名度の弱さは確かに考慮すべきポイントですが、それと同時に国立大学としての学費、東京都内の立地、情報理工系への専門性、大学院への進学環境、技術系企業への就職実績があります。
電気通信大学は恥ずかしい大学ではなく、知名度と実力に差がある理工系国立大学
電気通信大学が「恥ずかしい」と言われる背景には、大学名から国立大学だと分かりにくいこと、通信制や専門学校と誤解されること、東京電機大学や大阪電気通信大学と混同されやすいこと、理系中心で一般知名度が高くないことなどがあります。
しかし、2027年度入試の偏差値目安は55.0~57.5、共通テスト得点率は69%~76%であり、「Fラン」「誰でも入れる」といった評価には当てはまりません。就職先にはNTTドコモ、日立製作所、NRI、ソフトバンク、NEC、富士通、NTTデータ、トヨタ自動車などがあり、2025年の著名400社実就職率ランキングでも全国11位という結果が出ています。
結局のところ、電気通信大学は「名前を知らない人がいるから恥ずかしい大学」ではなく、一般知名度より情報理工系での専門性や就職実績に強みがある大学と見るのが実態に近いでしょう。進学を検討しているなら、周囲のイメージだけで判断せず、自分が学びたい分野、研究室、大学院進学、希望業界への就職実績まで確認して決めることをおすすめします。


